■名護市長選、辺野古移設阻止派の再選がもたらす国政の停滞と国民投票勝利のカギとは

 注目の名護市長選は、代替施設の移設阻止を訴えてきた現職の稲嶺氏が再選された。移設推進を訴えてきた末松氏と4000名余りの差がついての勝利は、極めて衝撃的であった。昨年の「基地縮県民の会」の署名8万名以上に登る移設推進と基地負担軽減を求めた県民の声を背景にして、12月末に仲井真知事が埋め立て許可を表明し、やうよく基地問題移設の時計の針が動いた感がし、前進したかのように見えたが、この選挙結果は、政府、沖縄県にとっては大きな痛手となってしまった。

 候補者の一本化が尾れ、選挙体制が整備することが遅れただけでなく、公明党が自主投票となり、更に政府が具体的な援助金を出す発表が後手となったこと、阻止派は徹底した組織選挙を行い、本土からの応援体制が整っていたこともあり、推進派の勇迫がもう一歩、及ばなかった。実に残念なことである。徹底したマスコミの基地受け入れ反対の報道の嵐、左翼勢力の組織の閉め付けは、実際に名護市民からは嫌がられていたにもかかわらず、地方組織が盤石であれば、なかなか逆転できないことを痛感した。

 更に言えば安倍政権の高い支持率は、地方選挙の勝敗では決して結果を出していないことが明らかとなり、地方で組織の拠点をつくることがいかに重要であるのかを実感した。

 政府は、今回の結果だけで基地の辺野古への代替施設移設に向けたスケジュールを変更することはないとしているが、この3月からのボーリング調査の段階で反対派が活気づき、衝突が起こる状況かできた場合(反対派にとってみれば何か騒擾事件が起こることを期待していると思われる)には、第2の普天間飛行場反対の拠点になる可能性もある。

 政府がとれだけ名護市民に移設の経緯を説明できるか、知事を孤立させないようにすることができるのか、その力量とリーダーシップが問われることとなる。

 そして、もう一つ、憲法改正に向けて国民投票で過半数をとることがどれだけ難しいことであるのか、過半数をとる手立てをしっかりと構想することが必要であることを教えている。