■維新の勢いは止まったのか-堺市長選をどう見るか

 堺市長選は真っ向から大阪都構想を掲げた新人と反大阪都構想を掲げ、都構想が実現すれば「堺はなくなる」と訴えた現職との一騎打ちとなった。結果は、維新が党派を超えた維新包囲網に屈した形となった。

 しかし、大方のマスコミは、協調関係にあった公明が機に便に動いて、胡維新を見限り、橋本・大阪市長率いる維新の勢いはこれで止まったと評したが、確かに看板政策として、堺市を特別行政区にするという大阪都構想については有権者にとって受け入れがたいものであったが、大阪維新、日本維新の掲げている政策理念は否定されたという証は何一つない。
にもかかわらず、相乗りをした各党派は、それぞれの立場で勝利に導いてきた功績を訴えているが。ここで本質を見誤ってはならない。
維新一党で、自民党から民主、共産、社民と呉越同舟の勢力と真っ向から戦ったわけであるから、焦点は地方自治のあり方を巡ったものが主で、逼塞した政治状況の中で、鬱屈した国民感情を、教育現場や組合の行政介入を目に見える形で変えてきた、すさまじいまでの改革の姿勢はうまく救い上げてきたことも事実である。かつ、それが日本再生の確かな処方箋を指し示してきたからである。

 従って、堺市民は都構想実現にノーの答えを出しただけではないのか。小生が一連の選挙戦を見ていて、現職が訴えていた「大阪がひとつになると堺がなくなる」「堺市民の税金は大阪都に持っていかれてしまう」という主張は、非常にわかりやすく、これまで苦労して政令市となり、府に対して特別の権限を手にいれるとともに、歴史的にも貿易都市として自分達で自治を行ってきた自負のようなものを失いたくなかったのではないか。

 維新は安倍政権下で、憲法改正や自立的安全保障、教育改革実現のために積極的に相連携をしていかねばならない党であり、最重要の問題については堺市長選では焦点でなかったことを思えば、次は、この点で堺市民に問うことだ。決して維新の勢いは止まっていないことを、自民党も他の党も自覚しなければならない。