■府教育委員会への実教出版教科書の採択に関する要望について

 府教委は平成26年度使用の高校用教科書の実教出版の日本史A・日本史Bの特定
箇所について東京都教育委は使用することは適当でないと考える見解に対して、
「一面的なものであると考えます」とした。

 一方で文科省が検定に合格したこの教科書について「検定上、誤りとは考えら
れず、許容されるものである」という見解を示しているところから、一部の記述
のみをもって、この教科書を採択しないという結論まで至っていないとして、
最終的には高校教科書については、各学校長の権限と責任のみとで選定理由を明
確にして選定するようお願いを出した。

 実教出版教科書の問題記述箇所は
「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではた
した役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが
議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制
するものでないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員へ
の強制の動きがある」の部分であるが、誰が読んでも大阪府、大阪市の国旗・国歌
条例を指していると考えるのが普通であり、教科書の中ではそれを「強制」として
いる。強制とは、地方行政の教育への不当介入を指すということであろう。

 府教委が一面的であるとしたのは、学習指導要領の趣旨や平成24年1月16日最
高裁での国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令が合憲であると
認められたことに言及が全くないこと、更に平成26年度高校教科書選定の手引き
にある「選択・扱い」の「特定の事項・事柄を強調しすぎていたり、一面的な見
解を十分な配慮なく取り上げていないこと。」に拠っているとしている。

 現時点では、教育基本法に合致した検定基準に近づけること、「国旗国歌」な
ど法的根拠に基づくものについては政府の見解を教えていくことなど、教科書行
政を守るための教科書法が制定されていないことを考えると、府教委の指導と助
言は、ある一定の評価を与えることはできる。

 しかし、神奈川県教育委は、この該当する記述箇所を取り上げ、県教育委は国
歌斉唱時の起立を教職員に求めていて、7月24日に「不採択になる可能性があ
る」として使用を希望していた学校長に再考を要請したところ、今月20日の採択
前に別の教科書に変更したことが明らかとなった。

 この例は神奈川県教育委の「指導助言」が各学校長にきちんと浸透した例であ
るが、府教委もこのような指導を是非、各学校長にして頂きたいものである。そ
うでないと教育委員会自らが、選定基準を逸脱してしまうことになりかねないの
ではないかと思う。

 皆さんには、中原 徹 教育長へ府教委として一面的な記述のある教科書を採
択することは府教委の選定の手引きから逸脱することを、要望するとともに、こ
こがよき教育行政の発揮できる点であることを激励して頂きたいと思います。

 中原 徹 教育長
 06-6941-0351 大阪府庁 教育委員会
 http://www.pref.osaka.jp/bu_kyoiku/